相手方当事者は、必ずしも1つだけとは限らない

医療事故そのもののあり方

そして医療事故そのもののあり方に関して最後に触れてみます。一般的に見てみると、事故自体の問題はその被害を被った患者さん本人とその親族あるいは保護者と、その被害をもたらした医療機関という、1対1という構図のようにも思えますが、実は、この構図の考え方そのものは当てはまらないと法的にはいえます。

医療事故の責任を追及

事実として、その患者さん本人が入院などをしていた病院である医療機関Aでは、どうしても設備面あるいは人材面において手術を受けることができず、このため、その医療機関Aから今度はそのための設備や人材が揃えられている別の病院である医療機関Bへの移送がなされる事になり、このため、そこの医療機関Bにおいて手術が無事に終わり、容体の様子から異常が無い事を認められると、しばらくしてから元の医療機関Aへ戻り、しかしそこで容体が急変して死に至るあるいは何らかの副作用の症状に悩まされる、などといった事態になったりした場合には、その医療機関Aのみの責任ではなく、手術を行った医療機関Bにも責任があるので、これらの両者への医療事故の責任を追及していくというカタチである場合もあります。

医療過誤裁判や和解、調停などを有利に進めていく

そして、なるだけ医療過誤裁判や和解、調停などを有利に進めていくためにも、医療機関Aを抱き込んで、一諸に医療機関Bの責任を追及していくというやり方などもあります。このように、1つの当事者だけではなく、相手方当事者の1つを訴訟参加(民事訴訟法47条1項の独立当事者参加等)させたりする方法などもありますので、このように、その事故のあり方に応じた対応のフォーメーションを大いに活用していくべきといえます。